イッキマン初の小説(マンガ原案)、きょうから連載を始めます。
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F★CK🏈BOWL【第1回】
イッキマン
土曜の夜のフットボールスタジアムは、10万人の観客の歓声であふれていた。
プロフットボールリーグPFL、アクラシティ・エレクツ対ハッテム・スペルマンズ。エレクツはこれに勝つとゼネラルカンファレンス西地区の首位が決まる。
試合は第4クオーター、残り30秒。31対35でスペルマンズがリードしている。エンドゾーンまで40ヤード、3回目の攻撃でファーストダウンまで7ヤードだ。しかしフィールドゴールでは同点にもならない。ロングパスでゲインしない限り、逆転もできない。なのでスペルマンズはディフェンスで乗り切ろうとしていた。
ハドルの中でラインバッカーのハヤトが作戦を指示した。
「いいかみんな、相手は逆転を狙って、パスで一発逆転を狙おうとしている。ワイドレシーバーを徹底的にマークしろ。オレは81番のアーヴィン。イッキマン、君は87番のニッカーソンを狙え」
ここでエレクツのヘッドコーチ、カズマイヤーザックがタイムアウトを要求。すぐに認められ、カズマイヤーザックはランニングバックの交代を決めた。
そして、ベンチの右端に、銀色のアイシールドがついたヘルメットをずっとかぶり続けて座っていた選手が立ち上がり、コーチ陣のもとへ向かった。
[第2回へ続く]
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次回は5月25日に掲載の予定です。
ご期待下さい。